銀色の念書

思いの丈を綴ります。

いつかわかるのかな

Ado 18th Digital Single DIGNITY


愛のために命を奪い合う悲惨な現場。愛は分け合い注ぎ合うためにあるはずじゃないの?人類はいつ分かり合えるのだろうか。

※独断と偏見で感想や解釈を語りますので、ご理解いただいた上での閲覧をお願いします

Discography

Ado

Title: DIGNITY

18th Digital Single DIGNITY 2023.9.18 Release

2nd Album 残夢 2024.7.10 Release

Music: 松本孝弘

Lyric: 稲葉浩志

Arrangement: 亀田誠治

Thema

タイトルの日本語訳は「尊厳」や「品格」という意味だ。

映画『沈黙の艦隊』の主題歌となっているので、内容にも映画や原作に沿うような歌詞ともなっている。

Sound

B'zの『ALONE』や『OCEAN』っぽい作風のハードロックバラード。劇的でドラマチックなピアノとギターが力強く楽曲を引っ張って牽引してくれている。

肝心のAdoさんの声は楽曲に寄り添うような柔らかで、サビでは持ち前の逞しく太く、それでいて伸びやかな歌声が堪能できる。変幻自在だ!

楽曲自体、強弱がハッキリしていてメリハリがありわかりやすい良いアレンジだと感じた。老若男女が聴きやすそうなイメージ。

Lyric

端麗なピアノと荘厳さを感じるギターとストリングは迫力が半端ない。ただギターサウンドはB'zと比べるとホント若干だが控えめに聴こえる。

小さな泡きらり 陽の差す方に昇り

自由を目指し飛び立つようにパチンと弾ける

もうB'zの名曲『ALONE』感が溢れ出てる。歌のリズムというかメロディーがまんま。過去の名曲のリバイバル的な感じでいいね。それでいてキチンとAdoさんの歌になっている。声質や歌唱力が申し分ない。

歌詞としては、自由を求めて水から空へと向かって昇る。泡がキラリと綺麗に弾ける情景が思い浮かぶ。

タイアップ先の潜水艦のイメージが湧くような歌詞でもある。

ねえ 大事なもの問われ

あなたなら何と答えるでしょう

あなたの大切な、大事なものとは何?と聴いている人々への問いかけ。

みんなの答えを知りたがっている。

いつかわかるのかな

愛はどこに響くの 愛は迷ってしまうの

今はあなたの寝息に耳を澄ますだけ

前述の歌詞の答えはいつかわかるのか?そして、とにかく愛について問いかけている。大事なものって愛じゃないの?と語りかけてくるようだ。その愛に気づくまで温かく寄り添ってくれる。

多分「金」「地位」「権力」「面子」などといった答えが返ってきた後の返答だろう。そんな返答をした人達へ、一番大切なものは「愛情」だろうと優しく説いている。

最後の『耳を澄ますだけ』というフレーズは特に稲葉さんの癖っぽい。歌い方も。

幸せを奪い合う ボクら水槽の中で

誰もみな自分らしくいたいだけなんだよ

自分の利益や願望を求めて、小さな世界で醜く争う我々人間。水槽の例えは地球・国・職場・学校などいろいろ当てはまる。それぞれの世界の中でみんな自分が大好きで、自分にばかり愛を注ぐから奪い合い傷つけ合う。みんな自分が一番だから仕方ない。

他者への思い遣りがないと自ずと争ってしまう。

すべては運命に沈みゆく

もうできることなどない

そんな自分勝手な愛の世界に絶望してしまう。

ほんとにそうなのかな

愛は誰を照らすの 愛は傷つけてしまうの

時間が足りないこと気付いているのに

絶望ばかりではない。希望もあるはず。愛の可能性を語る。だが、その一筋縄ではいかない現状を嘆く。

愛と一括りに言ってもいろいろあるもんね。純愛・敬愛・求愛・自愛・恩愛・偏愛・略奪愛などなど。なぜ人間はいろんな愛がある中で奪い争う選択をしてしまうのだろうか。

自分もそう思ってしまう。テレビやニュースで悲惨な現場を見てしまうとね。まさにこれは戦争系の映画のタイアップで、正義や平和への信念がテーマなので余計にいろいろと考えさせられる。

この後の松本さんの深く広い海を表現するギターソロと、Adoさんのメロディーをなぞる逞しいシャウトが心地良い。

いつかわかるのかな

愛は越えてゆけるの 愛はひとつになれるの

試されてるのは奏でられる命

揺るぎないその命

いつか愛は国境や障壁などを乗り越えてひとつになれるはずと願う。そして、その命を持って証明するしかない現実を突き付ける。

厳しい現実ではあるが、少しでも希望を持って生きてほしいというメッセージなのかもしれない。

ファルセットが美しく響き、心が揺れ動いて聴き惚れてしまう。

小さな泡くっついて陽の差す方に昇る

感動的な希望のあるラストで締め括る。

歌い出しでは泡は弾けてしまったが、今回はどうかな?

総評

荘厳で迫力はありつつも端麗で清らかなロックバラードだ。力強く歌い上げるAdoさんの声質の良さが堪能できる楽曲でもある。

ただ残念なのはボーカルにノイズが入っていること。収録環境のせいかわからないが、ヘッドホンで聴いているとザーっとボーカルの音源に雑音がのっているのがわかる。顔出しNGだから収録環境が限られている弊害が出ているのかな。

www.youtube.com

MVは歌詞の世界観をアニメ調で表現。

澄み切った水とスチームパンク機械的イラストが案外合うね。