
あなたの背中に手を添えるだけ。そんなことしかできない男なんです。
※独断と偏見で感想や解釈を語りますので、ご理解いただいた上での閲覧をお願いします
Discography
B'z
Title: 山手通りに風
22th Album Highway X 2022.8.10 Release
Music/Arrangement/Guiter: 松本孝弘
Lyric/Arrangement/Vocal: 稲葉浩志
Arrangement: Yukihide "YT" Takiyama
Drums: 玉田豊夢
Bass: 種子田健
Piano/Organ: 小野塚晃
Tambourine/Conga/Wind Chime/Shaker/Triangle: 斉藤ノヴ
Thema
コロナ禍が背景にある楽曲。
Sound
ゆったりしたリズムに身を任せて静かに聴ける弾き語り風バラード。どこか稲ソロ感も漂う今作。
日本人メンバーで構成されているからか、歌詞の情緒や間を大切にした旋律がそっと心に沁みるね。「和」だね。
松本さんの柔らかなトーンが心地良く、声を張らない稲葉さんの歌声が良い意味でのゆるさが伝わる。他のアルバム曲は火力強めだったりするので、アルバムの給水所的な意味合いもあるのだろう。
あとウィンドウチャイムなどところどころで入る音が良きアクセントになっている。キラキラと音が輝いている。ノヴさんの手腕が遺憾無く発揮されている。
Lyric
急いでるんだろう
すり抜けてく乗り物たちの苛立ちに
煽られながら歩こう
余裕のないように忙しなく動く車や電車を尻目に、自分たちはゆっくり歩く。
世間の喧騒なんか気にしていない様子。二人の世界に浸っている感じだね。
今日は何を食べよう 読みたい本はあるの? 知りたいんだ
前に買ったスニーカー 明日履いてみれば?
あなたとの過ごす何気ない日常会話を堪能して充実する日。いいね。
ここの歌い方すごく好き。
痛いくらいやるせない どれだけ一緒にいても
たいして何もできない男なんです
あなたと一緒に過ごしていても他愛もない日常会話ぐらいしかできないと自分を評価する。情けなさを痛感しているのかな?けど好きな人とは一緒にいるだけでもいいのにね。けど卑下してしまう。
強情な緑の蔦に覆われる高架下見て
いろんなものが
“いつのまにか”だって気がつく
何気ない風景から物事の真理を発見する。そして「ねがい」と通ずる歌詞でもありそうだ。
選択の連続で今がある。それが「いつのまにか」になっていく。
手を繋いで歌い歩く子ども見て 可愛いなって
マスク越しに響く あなたのもらした声
街で見かける小さな幸せを発見して喜ぶあなた。そんな平和な日常に和む。
「マスク越し」っていうのがコロナ禍を反映させた歌詞だね。和やかな風景なんだけど、その背景にはパンデミック。コントラストというかギャップが効いている。
痛いくらい風は切ない そんなつもりじゃなくても
泣かせてしまうのが僕の言葉
また答えを忘れて 僕は今日も戸惑い
あなたの背中に手を添えるだけ
少し言葉の綾の誤りで不安や不幸にさせてしまう。それでまた悪い方向へと進んでしまう。
柔らかな風のような音色のギターソロ。裏のパーカッションもいいね。
痛いくらいやるせない どれだけ一緒にいても
たいして何もできない男なんです
その視線の先の方 追いかけて静かに
あなたの背中に手を添えるだけ
この手を添えるだけ
ただただあなたの背中に手を添えるだけ。サウンドが明るい様相だけど若干の虚しさもある。何にもしてやれない無力さが伝わってくる。
総評
無力さによる切なさと愛情溢れる優しさが絶妙に混ざり合ったポップソング。
他の曲のように深刻に自責の念に駆られてネガティブな様相に感じられないので安心。ただ安らぎの中にある小さな葛藤がそっと音を介して伝達してくる。バラードではなく弾き語り風に仕上げたからか、より絶妙なニュアンスが伝わってくる。ベテランの成せる技だ。