
記憶の山脈を越えてゆけ。
※独断と偏見で感想や解釈を語りますので、ご理解いただいた上での閲覧をお願いします
Discography
B'z
Title: GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-
50th Single GO FOR IT, BABY -キオクの山脈- 2012.4.4 Release
Music/Arrangement/Guiter/Vocal: 松本孝弘
Lyric/Arrangement/Vocal: 稲葉浩志
Arrangement: 寺地秀行
Drums: Shane Gaalaas
Bass: Barry Sparks
Thema
人生を山脈と喩えて歌っている。
Sound
シンプルながら異彩を放つ楽曲。単調にならずに間を活かすアレンジが円熟したバンドならではの風格を感じさせる。
ギターリフがシンプルながら松本さん風味が感じられる。裏の電子音と調和ができていて、こういうところは昔ながらのB'z感もあるよね。
ドラムの一音一音がバチコーンと気持ち良く決まるのがいいよね。耳触りがいい。音数が少ないことの利点がここで効いているね。
Lyric
Go for it, baby...
囁くような声が心の奥底から聞こえてくるように歌う。
シンプルかつヘヴィーなギターリフが耳に重くのしかかる。間を恐れず、逆に有効活用できているのはベテランの為せる技だろう。
なぜだか期待外れ 前に食った時の方が美味い
って勝手にがっかりしてしまう なんてよくある話
あの時のあの味 追いかけてばかりの毎日
誰もが嵌ってしまう罠みたいなもんだろう
勝手に期待してガッカリする。過去の良い出来事を求める日々。確かによくあるし、やってしまいがち。欲深い人間の悪い癖。けどこれまでの経験である程度の基準を自分の中で設定してしまうんだよね。人間の性質上、仕方ないから罠にハマる。
「美味い」を「うめぇ」と歌うのは、「外れ」と韻を踏むためだろう。こういう細かい語感を大切にしてる感じが伝わってくる。
あの日に帰りたいと望んでも
There is no turning back
どんなに過去の出来事に思いを馳せても、人生は後戻りはできない。
Go for it, baby コエテユケ 甘い思い出を 未練だらけでも惜しくない
Go for it, baby コエテユケ 幸福の瞬間を じっと見つめたら捨てちまいなよ
あの日の僕はもういないんだから
過去の栄光に縋ったり、浸って未練がましくても越えてゆこう。あの日あの時の自分はもういないとバッサリ切り捨てる。潔き決断。
過去に縋っても今や未来が良くなる訳ではない。現状維持はむしろ衰退の一途を辿っているに等しい。過去に囚われずに挑戦的に今や未来に目を向けさせてくれる良い歌詞だと感じた。
あとサビの最後のスキャットというかフェイクが面白いよね。あえて言葉を入れないことでインパクトが残る。
あの子の心は乱れ 出てったきり戻らねぇ
古い写真を眺めて ため息ばっかついてた
若かりし日の美貌 ずっと求めてるんでしょう
今だから見える希望 あること知っていても
過去の恋人についての歌詞。別れる前の写真を眺めて孤独に苛まれる。今だからこその経験値や時代の良さがあることを知っていても、それでも尚若い頃の見た目や恋愛に執着している。
記憶の山脈に道阻まれ
うずくまって泣いてるの
また過去の栄光が進むべき道の障害となる。人生、山あり谷ありということを思い知らされる。
Go for it, baby コエテユケ 甘い思い出を 未練だらけでも惜しくない
Go for it, baby コエテユケ 幸福の瞬間を じっと見つめたら捨てちまいなよ
そしてまた初めてキミに出会う
過去のキミではなく、今を生きるキミと出会う。という解釈かな?
やっと過去から解放できたか。
燃える朝の陽射しを全部俺にくれ
見当違いのふざけた理想 灰になればいい
めちゃくちゃキザな台詞を吐く。自分を全て曝け出し、ありのままの小細工無しでぶつかるような力強さを感じる。
松本さんがここでメインボーカルになる。そしてここの歌詞は、稲葉さんが松本さんのイメージで作詞したとのこと。最大の理解者が書く歌詞なので、すんなり歌が入ってくるよね。稲葉さんは一歩引いて松本さんを立てる感じもいい。
そしてギターソロもカッコいい!
Go for it, baby コエテユケ 辛い思い出を 涙枯れたら放っておけ
Go for it, baby コエテユケ 最高の瞬間を じっと見つめたら捨てちまえ
I love you, baby コエテユケ 再現不可能のライブ 思い知ったら振り向かないで
本当の最高はこれから始まる
過去に縛られて後悔ばかりしてないで、少し辛い気持ちを吐き出して落ち着いたら前を向こう。過去という過ぎた瞬間は決して再現できない。それに気付くことができれば、これから最高の今という瞬間にまだまだたくさん出会えるはずと歌う。
非常に前向きだね。稲葉さんらしさに溢れている。
アレヲコエテユケ
アウトロも激しくサウンドで好き!特にドラム。
総評
シンプルでインパクトのある楽曲。限られた音の中でこれだけエネルギーを詰め込めるのはB'zならではだろう。
聴きやすいので個人的にはB'z初心者にオススメしたい。
MVはサブリミナル的で前衛的な宗教チックな仕上がりに。残像がたくさん残っている演出は、今という瞬間が瞬く間に過去になる的な意味を表しているのかな?