
ボスの苦悩。そして不服の国民。
※独断と偏見で感想や解釈を語りますので、ご理解いただいた上での閲覧をお願いします
Discography
B'z
Title: ボス
18th Album C'mon 2011.7.27 Release
Music/Arrangement/Guiter: 松本孝弘
Lyric/Arrangement/Vocal: 稲葉浩志
Arrangement: 寺地秀行
Drums: Shane Gaalaas
Bass: Barry Sparks
Organ: 小野塚晃
Thema
震災当時の政権批判・社会風刺・ボスの苦悩的内容になっている。
Sound
渋めのジャズや古めのクラシックな曲調の楽曲。熟成された大人の雰囲気と、内に秘めている様々な思惑と感情の葛藤が描かれている。
聴いているととにかくベースのメロディーラインが気持ち良い。バリーのプレイスキルが光る。ギターソロと絡み合うオルガンも素敵。
サビはドラムがロック色強いけど、それがメリハリ効いてて飽きない。ジャジーさと良い感じでロックが融合している。
Lyric
ジャジーなイントロ。
時に自ら手を穢せる 独裁者の大胆さ
時に一片の曇りさえもない 聖人の清らかさ
自ら率先して決断を下して責任を背負う泥臭さや、真っ直ぐクリーンで純粋に誠実に振る舞う姿勢も見せるのがボスだという。
そんなスマートかつクレバーな人なんているか?難しいけどみんなの理想像はこれなのよね。
そんなの両方求められてもね 無茶なハナシです
時代を引っぱるボスだなんて やっぱウツワじゃない
真逆のような性質の二面性を両方こなせというのは無茶な話。そんな時代を担うボスの器じゃないと弱音を吐く。
一国を背負うってリーダーシップだけあればいいってもんじゃないもんね。
暴れたい 暴れたい 何もしょいこまずに
情けない 情けない 思い描いた夢と違う
何も周囲の事を気にせずやりたい事をやりたい。切実に思う。ただただ切実に思っている感じが、ひしひしと伝わる。
民を憂い気を使いまくりで 壮大な約束しても
民に蹂躙されこじんまりと しぼんでゆく有様
国民の期待に添えるように意識し過ぎた結果、大層な公約を掲げて「出来もしないくせに!」と罵られ呆れられる。
自分の芯がない。ただボスになりたいだけじゃダメで、ボスになった後の理想がないからそうなるんだろうね。
愛するおまえの言葉だけが今 懐かしく聞こえる
あと少しだけ頑張ってみるから 迎えに来てくれ
国民目線だと、ボスは頼りにならないからおまえを思い出してしまう。
ボス目線だと、ボスになる前のおまえから言われた言葉を思い出す。それを胸に再建したい様子。
暴れたい 暴れたい 洟垂れ小僧のように
もう帰りたい もう帰りたい 俺はただの人
無邪気に子供のように好き勝手したい。何億人を束ねるボスになったとしても一人の人間なんだと嘆く。
期待したのは誰?
支持者?国民?自分?ドス黒い感情が渦巻き、犯人探しが始まる。
ブルージーなソロが渋味があっていいね。松本さんのソロワークスやってる時に近い感じ。
野次や悲鳴や怒号や噂が この首締めつける
自分の体裁だけ気にした挙句 全部台無し
自分を良く見せようと繕っていた。だがそんなの簡単に見透かされるしボロが出る。その結果、批判や怒号が自身に向けられる。
当時の政権を皮肉っている。自分もこの時はめちゃくちゃな事してるなって思ってたから稲葉さんに同感。自分の利益や面子にしか興味ない奴は国を背負う資格はない。そう思っていた。
暴れたい 暴れたい いつかの豪傑のように
酔っ払いたい 酔っ払いたい 気を失うまで
ほんとにアイムソーリー アイアムソーリー もう放っといてください
こんな国じゃ こんな国じゃ なんて言っても始まらない
ここで語呂合わせとダジャレを嗜む。こういうひとつまみの遊びを入れ込むことで、社会風刺の痛烈な歌詞を少しマイルドにして調和を図る。稲葉さんのバランス感覚が光る。
ラストは「銀の翼で翔べ」の歌詞に通ずるところがあるね。
Blame it on me now
もういっそ僕のせいにしてくれ!そう言い放ち立ち去るようにも聞こえた。ボスなのに無責任。めちゃくちゃだね。
アウトロのギターリフも渋くて好きだ。
総評
社会風刺が効きつつも大人な雰囲気がムンムンした燻銀な楽曲。
昔よりかは多少マイルドな歌詞に仕上がっている。歳を重ねた結果か?或いは楽曲の雰囲気に合わせたのか?どちらにせよ味があって良いけどね。