銀色の念書

思いの丈を綴ります。

苦悩の果てのそれも答えのひとつ

INABA / SALAS 1st Album CHUBBY GROOVE


失敗でも成功でもない。苦渋の決断の連続が襲ってくるが、選択した答えが己の人生の道となる。

※独断と偏見で感想や解釈を語りますので、ご理解いただいた上での閲覧をお願いします

Discography

INABA / SALAS

Title: 苦悩の果てのそれも答えのひとつ

1st Album CHUBBY GROOVE 2017.1.18 Release

Music/Lyric/Arrangement/Vocal: 稲葉浩志

Music/Lyric/Arrangement/Guiter/Back Ground Vocal: Stevie Salas

Drums/Percussion: Matt Sherrod

Bass: Juan Alderete

Keyboards: Amp Fiddler

Additional Guiter: Federico Miranda

Back Ground Vocal: Luis Montalbert-Smith

Thema

タイトル通り。

どの選択をしても自分が選び抜いたものだから、それが答えだという。

Sound

タイトルとは裏腹にノリノリで陽気なポップロックとなっている。ついつい手拍子したり踊ったり、身体が動いてしまうダンスグルーヴ。軽快なピアノもそれを加速させる。

こういうノリの曲調はB'zでも稲ソロでもない新境地。ただ若干歌詞の内容は稲葉節が効いてる。

Lyric

ノリノリで軽快なコーラス後に歌がのっかる。

死んでも手に入れたい

そんなものないんだな

残念だけどこの頃

つくづくそう思うよ

夢や欲しいモノはある。けど命を賭けても欲しいものはない。近頃はそう思うと項垂れているよう。

年齢を重ねたり人生経験を積むと、そういう思考になりがち。良い意味でも悪い意味でも。それをノリのよいリズムで歌う。

愛を捨てる潔さがない?

会いに行く大胆さもない?

弱虫でしょうか?

苦悩の果てのそれも答えのひとつ

どれも優柔不断ともとれる行動。けど『それも答えのひとつ』と肯定してくれる。

ただ歌詞的に不倫も連想させるよう。ズルズルだらしない感じもある。見方一つで大きく変わる。

あとサビ終わりの稲葉さんのため息がいい味だしてる。

あんたみたいに生きたい

そんな願いもうやめな

真剣に望んでたら

今ここにゃいないだろ

憧れの人のように真似して生きたい。けど、本当にそう思うならもっと違う場所にいるはず。そう言っている。

野球選手の大谷翔平さんの言葉を借りるなら『憧れるのをやめましょう』かな。憧れているうちは、それを越えられない。だからやめようと。やっぱり世界のトップというか上澄みの人達の思考はそうなっているのかな?

もしくは嫉妬かな。嫉妬してても仕方ないから、自分のスタイルを貫いていけ。そういう風にも聞こえる。

短い歌詞だからこそ、考察の余地や聴き手の解釈によって意味が違ってくる。

飛んでゆく潔さがない?

置いて行く大胆さもない?

弱虫でしょうか?

苦悩の果てのそれも答えのひとつ

憧れを飛び越えるような潔さなどなくてもよい。それも答えのひとつ。

稲ソロの『Wonderland』みたいで価値観の相違などあっても良い。人生は人それぞれと言っているようにも聞こえる。

この後コーラスがあって、最後にラストのサビいく前に思考回路がぐちゃぐちゃになっているような音の演出につながる。

愛を捨てる潔さがない?

会いに行く大胆さもない?

絶望でしょうか?

よく考えてごらんよ

結論が出せずどん詰まりで絶望しそうになっている。けど、もう一度よく考えてみる。

開戦する潔さがない?

手を挙げる大胆さもない?

弱虫でしょうか?

苦悩の果てのそれも答えのひとつ

争いを起こすか、白旗を掲げるか。それすら判断できない私はダメ人間ですか?いいえ、それも答えのひとつですよ、と全力で肯定してくれる。ありがてぇ。なんて思慮深い対応だ。

総評

苦悩の末に選んだ決断はどちらを選んだとしても、それもひとつの答えだと明るく励まし肯定してくれる。

聴けば聴くほど沼にハマる楽曲。

稲葉さんは成功者で苦労してないだろうなーって思っている方も多いと思うが、同じ人間だし下積み時代や華やかなステージの裏では苦悩の連続だということが窺える。

とにかく悩んでいる人や逆にリズムに乗って音を楽しみたい人にオススメです。

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