人生はとてつもなくデカく深い。けど寄り道ばかりだとあっという間にお終い。
※独断と偏見で感想や解釈を語りますので、ご理解いただいた上での閲覧をお願いします
Discography
B'z
Title: Da La Da Da
21th Album NEW LOVE 2019.5.29 Release
Music/Arrangement/Guiter: 松本孝弘
Lyric/Arrangement/Vocal: 稲葉浩志
Arrangement: Yukihide "YT" Takiyama
Arrangement: 寺地秀行
Drums: Brian Tichy
Bass: Robert DeLeo
Strings: MIKA HASHIMOTO with Lime Ladies Orchestra
Thema
突き抜けるような勢いを楽曲から感じて歌詞を書いたとのこと。そしてテーマは人生の教訓。
タイトルは楽曲のインパクトが強いので、敢えて意味を持たない言葉を並べたとのこと。音と詞のバランス感覚や嗅覚が素晴らしい。
Sound
とにかくパワフルでエネルギッシュな楽曲。リフの一音一音が重く、静と動のバランスが絶妙で間の取り方が独特だ。ロック初心者だとリズムに乗るのが難しいと思う。
B'zの二人のルーツとなっている古き良きハードロックを思い起こさせ、それをB'zなりのハードロックに仕上げている。しかもブライアンのドラミングがよく合うし、二つのスタイルの架け橋になっている要となっている。
ギターソロ前のストリングスは松本さんの考えたフレーズとのこと。個人的には「MONSTER」を彷彿とさせる。ベクトルやコンセプトが違うけどね。若干フレーズ似てる箇所あるが。
Lyric
重過ぎてむさ苦しいほどのギターとドラムのサウンドが耳の奥深くにのしかかる。
人間同士抱き合うこともあれば
歪み合うこともある それが普通
人間関係が一番複雑。性格の合う合わないや好き嫌いなど相性とかあるからね。もし性格や相性は合っても深い関係に必ずしもなれる訳でもないしね。好きだからこそ距離置いてしまったりね。そりゃいろいろある。それが普通。
あっちでもこっちでもいい顔してるのは
そりゃ限界あるでしょ
ボヤくように無理や無茶すんなよと忠告。八方美人も辛いよ。
嫌われちゃったとしても
それがなに?
そんなことよりもブラザー
人生はでっかい
Da la da da da
人間関係ばかり気にしてていいの?他にやることあるんじゃない?と思考や視野を広げてみようとアドバイス。
特に近年だとSNSとかで周りの「いいね」とかで承認欲求満たしがち。そういう承認されることが目的になっていたら本末転倒。本当にやりたいことやって大切な人から「いいね」もらったほういいからね。
ヘイ!という掛け声と共に言うのは面白いし潔い。ちょいとダサカッコイイ感じがB'zっぽい。んでダーラダッダッダーッ!と叫ぶ。キメのセリフとか入ってても良いような気もするが、無いからこそいろいろイメージできるし幅が広がるのかも。
自分の利益を顧みないで
人様に尽くす
そんな風に生きていくんだと
何度元旦に誓ったの
新年の抱負を毎年宣言しているのかな。「何回誓ってるの?何度目?」と呆れられているようだ。まあ実際周りにそういう大層な旗掲げて実行できてないような人がいたら、自分もそう思うかも。
てか元旦ってワードセンスが稲葉さん。自分は初めて聴いた時は「簡単」って聴こえていた。
最後は自分に甘くなって またfade away
そうやってまた開き直る
出来もしないこと宣言しても腐ってしまうのがオチ。んで開き直っていつも通り過ごす。都合の良い奴だ。
人間そう簡単に変えられないし仕方ない部分でもあるが、変わるって宣言を何回もして変わらないのは怠惰だと言われても仕方ないのかもね。んで稲葉さんに静かに叱られる。
英雄にいつもなれない
それがどうした?
そんなこと言ってるうちに
人生はおしまい
Da la da da da
ヒーローという誰もが憧れる完璧な存在には簡単になれるはずがない。そもそも語り継がれるようなものだしね。だから今をしっかり積み重ねていかないとあっという間に人生は終わってしまうと説く。
ここでストリングスがいきなり出現。不穏でスリリングな様相から、もがき苦しみ葛藤するようなギターソロへ。コーラスも不気味さを加速させる。
嫌われちゃったとしても
それがなに?
英雄にいつもなれない
それがどうした?
仲間がちっともできない
だからなんなの?
そんなことよりもブラザー
人生はもっと深い
Da la da da da
安い承認欲求・無謀な野望・目先の脆い友情などに拘らずに大切なものを見つけようと助言してくれているようだ。最後のブラザーが絞り出すような声なのが訴えかけるようでもある。
最後はこれからの長い人生を歩む姿を映すかのようにコーラスで締め括られる。
んで最後のサビからアウトロまでドラムの存在感が強過ぎる。ドラミングが強烈でインパクト大!空気が痺れるようだ。
総評
ブライアンのドラミングが遺憾無く発揮されている楽曲。一音一音がとにかく大迫力。
松本さんのルーツを辿るようなハードでヘヴィーなロックをB'zで体験できるのは嬉しい!古臭いロックをきちんとB'zなりに踏襲して確立している。松本さんの手腕が見て取れるね。
んで稲葉さんの歌唱力と歌詞をメロディーに乗せるセンスがズバ抜けている。このおかげでギターやドラムのサウンドに負けないで楽曲が成立できている。
ハードロッカーや昔からのロックリスナーなら刺さる一曲だ。本当に渋くて重くていいね。