銀色の念書

思いの丈を綴ります。

これからはずっと一緒

INABA / SALAS 1st Album CHUBBY GROOVE

何処となく冷たく寂しい風のようで、それでいて優しくあたたかく心が癒やされる陽の光のような楽曲。

INABA / SALASでお気に入りの一曲。

※独断と偏見で感想や解釈を語りますので、ご理解いただいた上での閲覧をお願いします

Discography

INABA / SALAS

Title: シラセ

1st Album CHUBBY GROOVE 2017.1.18 Release

Music/Lyric/Arrangement/Vocal: 稲葉浩志

Music/Lyric/Arrangement/Guitar: Stevie Salas

Drums: Steve Ferrone

bass: Shawn Davis

Keyboards: Lou Pomanti

Percussion: David Leach

Background Vocal: Bernard Fowler

Thema

虫の知らせ→シラセとなったのかな?だとしたら悪い予感→別れor死別がテーマか。

とにかく不幸が起こったのは確かかと。

Sound

刹那げなメロディー。

サラスの柔らかくて優しいギターリフとサウンドが心地良い。

コーラスのウィスパーボイス気味の囁き声は、子守唄のように優しくて癒される。そして、どこまでも伸びていきそうな稲葉さんの歌声が圧巻。圧倒される歌唱力。天国までも届いていきそう。

個人的にこの曲の一番の目玉はギターソロ。この客が収録しているアルバムの中では基本メロディーラインにそったギターソロになっているが、この曲では世界観に合った美しくあたたかいものになっている。めちゃくちゃ好き。

ただ初めて聴くと曲の構成が不思議に感じるかも。

Lyric

サラスのギターサウンドと同じように優しく柔らかく歌詞を歌い上げる。

日は昇り 何もない朝

風が吹いて 何か囁いた

いきなりタイトル回収か。

何気ない日常で、ふと何かの予感を感じとったか。

なぜだろ 感じてる

あなたのぬくもりを

これは淡いゆめなの?

やはり感じとっていた。

短い歌詞の中でも文字の制限があっても、その制限の中で曲とマッチさせ表現できるのはすごい。歌い方も相まって本当に淡い夢にゆったりと溺れてしまっているような錯覚に陥る。

現実だとは受け入れられない様子。

話したいこと 山ほどある

でもいつでも 気づくのが遅い

大切な人が亡くなってから気づくことが多い。自分もそう。亡くなる前に見せたかったもの、話しておきたいことがあったので、自分の人生とも重なって共感できる。

あなたとの想いに耽る。そして積年溜まってしまっていた後悔がどっと襲いかかるようだ。

なぜだろ 今頃

あなたの声を聞く

ほんとう、きっと

親しい人が亡くなった時は、その人との思い出を思い起こしてしまう。自分もそう。そして、その時に本当にあなたの声が聞こえた気がした。ほんとう、きっと。

ほんの少し揺れるカーテンも

遠くから聞こえるクラクションも

なぜだろ こらえきれず

あなたを呼んでしまう

これからはずっと一緒

少しカーテンが揺れたり、遠くからクラクションが聞こえたり、そんな少しの物音などにも反応してしまう。最後には思わず口に出してしまう。

泣きたい時は泣いていいんだよ。

『ずっと一緒』というのは様々な考察の余地があると思うが、大きく分けて2つ。

・あなたはわたしの心の中にいる

・わたしもあなたの元へいく

どちらともとれる。これは個人で各々ご自由にご想像くださいってやつかな。カーテンとか遠くのクラクションとかは家の中というか病室のシチュエーションも当てはまるから、あなたの元へいく説もあるんだよなぁ。

個人的にはあなたを想い続けている限り、心の中ではずっと一緒という解釈をしています。

総評

イナサラだからこそできた、今までにない新鮮な楽曲だ。グルーヴ感もそうだしどこまでも伸びる歌唱法にも、うっとりと心奪われる。稲葉さんもサラスさんもどちらも互いに新境地を見出したような作風。

相手を想う気持ちが全面に出ていて、少し寂しげだけど優しさに満ちた曲。めちゃくちゃドストライク。

このアルバムの中で一番好きな楽曲かもしれない。機会があれば是非とも購入して聴いてほしいです。